早稲田と慶應、ダブル合格した生徒が選んだ道・・・時代は変わったのか
総合商社にももはや石を投げればその出身の人に当たる二大学、しかし、社会人になってしまえばその後は自分次第、というのは今後の潮流ですね。(といっても地頭的なのは良いと思います)
ただ、面接をやっていて、早稲田、慶応ときくと、まぁすごい頑張ったんだろうな。と思う一方、またか、、と思ってしまう自分がいる。。。
ダブル合格したら、どちらに進むか──。併願した大学・学部にどちらも合格したとき、受験生は何を学べるかという基準で選ぶ傾向が強まり、大学の序列に変化が起きている。大手予備校・東進ハイスクールのデータを基に、人気の併願パターンを徹底比較。選ばれる理由を見ていく。
早慶「文学部」対決は早稲田に軍配
ダブル合格、早慶戦。今年も早稲田の勢いがうかがえる結果が出た。
早稲田・文と慶應義塾・文のダブル合格者の入学比率を見ると、今年は早稲田が75%と慶應を上回った。早稲田・文化構想学部でも早稲田が63%だ。今年、早稲田と慶應の文学部に合格し、早稲田へ進学を決めた女性は言う。
「慶應文学部は大学内でも少し独特。就職は経済学部や法学部と比較して、そこまで大きなメリットは期待できません。だけど、早稲田の中で文学部の評価は高い。また、1年次は幅広に学んで、2年次から専門的に深く学んでいく点も自分に合っていると感じた」
早稲田の文学部といえば、看板学部の1つだ。小説家の村上春樹さんやジャーナリストの田原総一朗さんら多数の著名人が輩出している。「東大か早稲田の文学部に入りたい」という受験生も毎年いると言われる。
また、近年は文化構想学部も人気学部の1つだ。2007年に第一文学部と第二文学部が統合し、文化構想学部(文構)と文学部が新設された。両学部とも同じキャンパスにあり、それぞれの学部の授業を履修することができる。宮城徳也教授は文構と文の人気の高まりについてこう見る。
「文学部では伝統的な学問が学べる一方で、文構では新しい社会との関係を重視しながら幅広く学べる。互いの強みを補い合うことで学生の学びのニーズに応えられている」
いま人気の総合系の学部も見てみよう。早稲田・国際教養と慶應義塾・総合政策でも早稲田が100%となった。
慶應義塾・総合政策といえば、1990年に新設された総合系学部の先駆けだ。AO入試(今年度から総合型選抜)を全国でも初めて導入するなど話題を集め、慶應を代表する看板学部となった。しかし、その後、慶應では話題となる大きな改革はなく、総合政策の人気も低下した。
他方で、早稲田・国際教養は今や看板学部の1つだ。英語で授業をするほか、1年間の留学が必須になっている。幅広い知識と教養を身に付けるリベラルアーツ教育も人気だ。「早稲田の大学改革の象徴」(予備校幹部)とも言われており、早慶の取り組みの差が人気にも出ていると見られる。
慶應は法学部、医学部が健在
ただ、東進ハイスクールを運営するナガセの市村秀二広報部長は言う。
「慶應ブランドはいまだに健在だ」
サンプルは少ないが、慶應義塾・法と早稲田・政治経済の看板学部対決では全員が慶應を選んだ。慶應義塾・法と早稲田全学部との対決でも98%が慶應だ。
これに加えて、慶應には看板学部の医学部がある。今年は、東京・理科一類と慶應義塾・医では、43%が慶應を選んだ。
「権威づけに東大に合格して慶應・医にいくという受験生がいる。早稲田ではこうした受験生はいない」(市村広報部長)
また、早稲田は今年度の入試改革が裏目に出るかもしれない。政治経済は来年2月の入試から新テスト(大学入学共通テスト)の結果を活用することを決め、数学を必須化。国際教養でも新テストを導入する予定だ。市村広報部長は言う。
「コロナ禍で受験勉強にも不安がある中、入試を変えてほしくないという考えが根強くある。人気を大きく下げる可能性もある」